システム運用管理は自動化ツールを活用する

現在、システム運用管理の多くが手動からツールに置き換わりつつあります。システム運用管理のツールは「監視(モニタリング)」と「自動化(オートメーション)」の二種類に大別でき、「監視」はシステムの維持、「自動化」はシステム運用の効率化や改善を目的とします。この後者の「自動化」の波が今まさに到来しているのです。自動化ツールは海外の企業で導入が進んでおり、国内でも大企業は既に取り入れています。時代のニーズに応えてかオープンソースのソフトフェアも多数登場しており、導入のハードルはかつてなく低くなっていると言えます。中には扱いやすさを重視して誰にでも直感的な操作を可能にしたソフトウェアもあり、ツールの導入に専門知識が必要という問題も解消されつつあります。ますます魅力的な進化を遂げるシステム運用管理用ツールについて紹介します。

自動化ツールを用いたシステム運用管理のメリット

システム運用管理に自動化ツールを用いるメリットは大きく分けて三つ、「作業の効率化」、「サービスのクオリティ向上」、「ヒューマンエラーの根絶」です。前提として、ただでさえIT業界は慢性的に人材不足の職種です。そのため限られた人材をいかに有効に使うかが他社との競争の行方を左右します。貴重な人材を単純作業で無駄に消耗させていては話になりません。そこで役に立つのが自動化ツールです。自動化で単純作業から解放された社員は、より重要度の高い作業に当たることが可能になります。これにより作業の効率化が図られ、生産性の向上が見込めます。反復作業などの単調な業務でしばしば起こりがちな疲労からのヒューマンエラーも、自動化させてしまえば起こり得ません。これはまたサービスのクオリティの向上にも繋がります。

システム運用管理に自動化ツールを導入する際の注意点

システム運用管理のオートメーションツールが普及しているからと言って、やみくもに自動化すればいいというものでもありません。まず普段行っている業務の中から自動化できそうな作業を洗い出し、それに対応できるツールを探し出すことが必要です。ツールも無償のものから有償のものまでさまざまですので、コストも含めて実現化の検討をしなくてはなりません。また、自動化できそうな作業があったとしても、利用の頻度が低ければかえってコストの方が高く付いてしまいます。ツールの選定に詰まってしまった際は、そもそもその自動化が本当に必要なものなのか考え直してみるのもいいでしょう。また、部分的な自動化で充分なのか、それとも長期的な運用を見据えて完全自律化を目指すのか、それによって規模も随分変わってきます。大切なのは何を何のためにどう変えたいのか明確なビジョンを持つことです。